ユーザーの言うことは嘘だらけ!?UXの第一歩は「ユーザの声聞くべからず」

kitsune
はじめてのユーザーテスト
本連載では、新米マーケターである筆者がユーザーテストについて学んだことを発信します

こんにちは。村上です。

前々回の連載で、UCDのプロセスについて説明しました。
最初に取り組むべきことは、ユーザーニーズの探索のための調査・分析です。

今回は調査・分析の重要なポイントについて説明していきます。

ユーザの声の神話

user

突然ですが、多くの人が信じている神話があります。

“ユーザーの声に応えればユーザーは満足する”

一見聞こえはいいですが、この前提は大きく間違っているため注意が必要です

ユーザの声の正体

結論から言うと「ユーザの声」とは、具体的な体験をユーザ自身が分析した結果に過ぎません。
すなわち、素人分析で正しく分析された保証はありません。

多くの場合が間違っており、鵜呑みにして痛い目にあう開発チームが後を絶ちません。
そもそもユーザーの声に答えを求めること自体が間違っているのです。

ユーザー体験を分析する

では、どうすべきか?

ユーザーニーズの探索というのは、ユーザーの「暗黙」の要求を理解することです。
そのためには、事細かなユーザー体験を設計者の手で分析する必要があります。

ユーザーのいうことを鵜呑みにせず、ユーザでーは想像もつかないような解決策を提案するのがプロ。
そのためにはユーザー体験に目と耳を傾けるべきなのです。

アンケートの神話

enquête

ユーザーの声を集める伝統的な方法としてアンケートがあります。
しかし、アンケートは「ユーザの体験を把握する」という目的には適していないのです。

理由としては、「量と質」「生成と検証」という2種類の違いが挙げられます。

量と質

調査には「質的調査」と「量的調査」の2つがあります。

量的調査 数値やカテゴリデータを収集し、演算・集計して数表やグラフで表す。
ある集団の全体像を推定するために行う
質的調査 インタビューや観察といった数値化できないデータを扱う
KJ法などでデータを分類・構造化して文章や図で結果を表す。
統計的な精度は求められず、洞察が得られれば価値がある

個々のユーザー体験を調べるということは、数値化できないデータから洞察を得るということなので質的調査が適しています。量的調査の代表格であるアンケートはこの目的には適していません。

生成と検証

さらに、ユーザーの「暗黙」の欲求を理解するという意味でもアンケートは適していません。
アイデアの視点で調査は「生成的調査」「検証的調査」に2分されます。

生成的調査(Generative research) アイデアを発想するために行う調査
検証的調査(Evaluative research) アイデアの中から採用するものを決めるための調査

アンケートは「検証的調査」の手法であり、事前に定義された選択肢の範囲内で回答します。
つまり、ユーザーが答えを知っていないと意味がないのです。

しかし、今回知りたいのはユーザーが知らない「暗黙」の欲求。
潜在的なユーザーニーズの探索に関してはアンケートは不向きなのです。

グルインの神話

グルインの神話

もう一つ、グループインタビューという手法があります。

別名フォーカス・グループインタビューとも呼ばれ、
座談会形式で6名前後の参加者で円卓を囲み、司会者がインタビューの進行を行います。

実は、この手法もユーザ体験の把握には適していません。

グループインタビューで得られるのは「ユーザの声」

なぜかというと、グループインタビューでの発言も前述した「ユーザの声」です。

ユーザーは悪気なく、うまく喋ろうとするあまり要点を絞ってしまったり脚色したりしてしまいます。
さらに、他の参加者の発言を聞くうちに影響を受け自らの体験を加工してしまいもします。

設計者はユーザーによる分析結果を参考にするのではなく、一人一人のユーザー体験を深く観察する必要があるため、グループインタビューはユーザー体験の把握には相性が悪いのです。

しかも、グループだと1人あたりの発言時間が短くなってしまう時間的なデメリットもあります。2時間のインタビューで聞けるのは、一人あたりせいぜい15分〜20分。これでは深い洞察などとても得られません。

まとめ

  • ユーザーの声は素人分析。設計者がユーザー体験を把握し分析すべき
  • アンケートはユーザー体験の把握には適していない
  • グループインタビューもユーザー体験の把握には適していない

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