本連載では、新米マーケターである筆者がユーザーテストについて学んだことを発信します
こんにちは。村上です。
前回の連載では「UXの意義とUXがいくつかの要素から成り立っていること」を説明しました。
それでは、それらをどのように実現していけばいいのでしょうか?
今回はUXを実現するユーザー中心設計(UCD)について解説します。
ユーザー中心設計(UCD)とは?
UXを実現するものとして「ユーザー中心設計(UCD: User Centered Design)」があります。
人間中心設計(HCD: Human Centric Design)という言葉を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれませんが、同義語として捉えていただいて構いません。
UCDとは文字どおり、ユーザーを中心に据えて開発を行う設計思想を指します。
ユーザー中心設計(UCD)のプロセス
UCDは以下のようなプロセスで実行します。

- 調査:ユーザの利用状況を把握する
- 分析:利用状況からユーザニーズを探索する
- 設計:ユーザニーズを満たすような解決案を作る
- 評価:解決案を評価する
- 改善:評価結果をフィードバックし、解決案を改善する
- 反復:評価と改善を繰り返す
これは大まかには以下のようにまとめることができます。
- ユーザを観察して潜在的なユーザニーズを探索する(調査〜分析)
- プロトタイプを作りアイデアの有効性を評価する(設計〜評価)
- プロトタイプを修正し評価と改善を繰り返す(改善〜反復)
このようにUCDではユーザーニーズを探索した後、評価と改善を繰り返して作っていきます。
反復デザイン

UCDで肝となるのが、評価と改善を繰り返し完成度を上げていくことです。
これが「反復デザイン」という考え方です。
「繰り返しって手戻りじゃないの?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし反復デザインは手戻りどころか、より効率的になるアプローチなのです。
前のフェーズに戻ることができない従来の開発手法では、完成後に深刻な問題が見つかったり、意見が分かれ意思決定がなかなか進まなかったりします。
反復デザインは評価と改善を繰り返すことによって、意見が分かれても仮説検証しながら意思決定することができますし、結果的に問題の深刻化を未然に防ぎより高いユーザーニーズに応えることができます。
また、反復といっても全体を一から繰り返すのではなく、プロトタイプ以降のプロセスを繰り返します。
表面的には反復デザインは工数がかかりそうに感じますが、真のユーザー満足を得られる製品を作るための一番の近道なのです。
まとめ
- 優れたUXを実現するためにユーザー中心設計(UCD)という思想がある
- UCDは6つのプロセスからなり評価改善を繰り返す反復デザインが肝である
- 反復デザインはUXを高めるだけでなく、意思決定にも役立つ
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