IDEOが採用するブレインストーミングを成功させる7つの原則

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はじめてのユーザーテスト
本連載では、新米マーケターである筆者がユーザーテストについて学んだことを発信します

「ブレスト」という言葉はもはや陳腐化し、ビジネスパーソンであれば誰しもが聞いたことのある言葉になりました。

しかし、本当に効果のあるブレストを行えているかと聞かれるとどうでしょうか。
ウンウン唸りながら、ひたすら時間を費やす「ただの会議」に陥っていないでしょうか。

前回までユーザー調査の手法を紹介してきましたが、当然ながら調査が目的ではなく、調査結果を手がかりに優れたアイデアを生み出していくことが最終的なゴール地点です。

本日は、優れたアイデアを生み出すためにIDEOがブレストで採用している原則を紹介します。

IDEOで日常的に行われるブレインストーミング

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皆さんは、IDEOという企業をご存知でしょうか。

IDEO(アイディオ)は、カリフォルニアに拠点を置くデザインコンサルファームです。サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、 ボストン、ロンドン、ミュンヘン、東京、上海など世界各国に支部を持ち、デザイン思考という手法を取り入れプロダクト開発からサービスデザインまで幅広く支援しており、Appleの最初のマウスをデザインしたことでも知られています。昨年、博報堂DYホールディングスから30%の出資を受けたことも話題になりました。

彼らは、1950年代にアレックスオズボーンが発案した「ブレインストーミング(以下、ブレスト)」にさらに独自のルールを追加して実行し、大きな成果を上げています。

ブレストを成功させる7つの原則

ブレストを成功させる肝は「場づくり」です。
アイデアを自由に発想できる場を作るためにIDEOが取り入れているルールを見ていきましょう。

1. トピックに忠実であれ(Stay Focused on Topic)

ブレストの場では後述しますが「ぶっ飛んだ発言」が推奨されます。しかしいくら自由奔放であるといってもテーマ内の話に限定する必要はあります。議論が脱線していかないよう、進行役はテーマから外れた発言は却下し、軌道修正を行いましょう。

2. ぶっ飛んで良し(Encourage Wild Ideas)

ブレストの場では、どんな突飛なアイデアでも受け付けます。たとえ実現不可能に思えたり下らないと思えたりしても、ひと工夫すれば実現可能かもしれないですし、それが他の人のインスピレーションをかきたてることもあります。

3. すぐに判断・否定するなかれ(Defer Judgement)

「それ、できないよ」といった反対コメントはブレストの場では禁句です。相手の話を否定するのではなく、それを生かすためには何ができるかを考える。これが自由な発想を助け、また無駄な議論による時間の浪費を防ぎます。自ら発案せず、反対意見しか出さないような人はブレストの場には不適切です。

4. 会話は一人ずつ(One Conversation at a Time)

一人ずつ発言することを心がけます。他の参加者が発言している間は、話に割り込まず傾聴する姿勢を持ちましょう。話に割り込んだりからかうのは絶対NG。ブレストは決して討論ではないのです。

5. 質より量を(Go for Quantity)

決められた時間の中で、とにかく沢山アイデアを出しましょう。練りに練ったアイデアを1つ出すよりも、稚拙でもでも構わないのでとにかく数多く発案する方を優先しましょう。中途半端なアイデアも、他の参加者が付け足して完成する可能性があります。「量が質を生む」のです。

6. 描け、視覚的であれ(Be Visual)

言葉で説明しても伝わらないことは多いです。上手い下手にこだわらずなるべく絵を書いて伝えましょう。それにより言葉に頼るよりも、参加者に理解してもらいやすくなります。

7. 他者のアイデアに乗っかれ(Build on the Ideas Others)

人のアイデアに付け足したり、改変したり、アイデア同士をくっつけたり・・・他者のアイデアをどんどん広げることを繰り返すことで、アイデアは洗練されていきます。ことアイデアに関しては「1+1=3」なのです。

アイデアを発散する魔法の言葉 “yes and”

ブレストは1時間に100個のアイデアを生み出すような発想法ですが、そのためには参加者同士の活発な会話が必要です。

その時に、決して討論になってはいけません。討論は「収束」する手法であり、ブレストは真逆である「発散」を目的とした手法です。

その「発散」を加速させるマジックワードとして「”yes and” 話法」があります。
決して相手の意見を否定せず、何を言われても「Yes」と肯定して「それに加えて…」「では次に…」と他者のアイデアを広げて話を続けます。

頭ごなしに「No」と否定したり、「いいね。でも…(Yes, but…)」と部分修正を図ろうとすると会話は膨らみません。自分の意見を売り込んだり、相手の意見を変えようとするのではなく、意見を交換することを念頭にコミュニケーションを計りましょう。

アイデアを収束する

でも、そんなことを続けていたら、結論の出ない会議になってしまうのでは・・・?
そんな声も聞こえてきそうです。

ご安心ください。
ブレストは「判断を先送り」することであって「判断しない」わけではありません。
アイデアを「発散」した後は、「収束」していきます。

収束するための手法

「KJ法」でグルーピング

アイデアの収束にKJ法は最適な手法です。似たようなアイデアや関連のあるアイデアをひとまとめにしていきましょう(KJ法に関しては以前の記事で紹介しています)。

「ポジショニング・マップ」でアイデアを分類する

整理したアイデアを分類します。例えば、実現性・新規性という2軸でマップを作り、そこにアイデアを配置していけば、特徴が明確になります。

参加者がシールで投票する「ドット投票」にかける

参加者や意思決定者にシールを配り、一番いいと思うアイデアに投票してもらいましょう。

収束は終わりでなく始まり

注意していただきたいのが、ドット投票の勝者に過剰な期待をするべきではないということです。

アイデアの多くは失敗したり、修正されたりするので、収束結果はあくまで始まりに過ぎないということを念頭に起きましょう。

まとめ

  • ブレインストーミングはアイデアの発想をしやすくするための場づくり
  • 否定をせず、”yes and”で他人のアイデアを広げよう
  • ブレストで発散した後は、KJ法やポジショニング・マップでアイデアを収束しよう
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