本連載では、新米マーケターである筆者がユーザーテストについて学んだことを発信します
こんにちは。村上です。
前回はインタビューの前に必要なインビュー設計の方法や機材、リソースについて確認しました。
さて、今回はいよいよインタビューに挑みます。
本記事でイメージをつけて、実際のインタビューに挑戦してみましょう。
インタビュー冒頭に行うこと

いきなりインタビューを始めるのではなく「信頼関係(ラポール)」を構築することが重要です。
不安を払拭しよう
部屋に入ったユーザーは「期待に応えられるかな・・・」と不安に感じています。
そのためまずはインタビュアーが不安を払拭していきましょう
- まずインタビュアーが「おもてなし」の姿勢を見せましょう。
- 目的を明示し、プライバシー保護や機密保護など相互の約束事を確認しましょう。
(契約書を交わすことは信頼関係の構築に一役買います)。 - インタビューのコンセプトを事前に伝えましょう。普通のインタビューとは異なり質問項目は決まっておらず自由に体験を話してもらい、立ち入ったことを根掘り葉掘り質問する点を事前に伝えます。
インタビュー前半に行うこと

通常、ユーザーの生活や仕事などプロフィールに関する質問から始めます。
なぜかというと、それがメインテーマである製品やサービスの利用と深く関連している場合が多く、特にビジネス用の製品やサービスでは重要です。
ユーザーの業務内容を理解することから始めることが、利用状況を理解するための近道なのです。
(この質問に20分〜30分かかることも少なくないが、このプロセスを通じて「師匠と弟子」の人間関係モデルが構築できます)。
インタビュー中盤に行うこと

メインテーマである製品やサービスの利用に話題を移し「どのように使っているか」というディテールを明らかにします。
その際、根掘り葉掘り確認することに加え、以下ようなのテクニックを使うことを進めます。
質問で具体例を引き出そう
ユーザーはディテールの度合いがわからないと抽象的なレベルで話を終えてしまいます。
そのため、インタビュアー側からディテールの度合いを具体的に指示する必要があります。
下記のような質問を駆使することで、具体例を引き出します。
・一番最近〇〇した時のことを教えてください
・差し支えなければ、ここで△△を見せていただけませんか
・最初はどうするのですか。その次はどうするのですか
・××できないときはどうするのですか
小道具を使おう
製品のディテールをユーザーが言葉だけで説明しようとしても限界があります。
しかし専門用語をインタビューアが説明すると「師匠と弟子」の逆転になりかねず、せっかく作ったモデルが崩れてしまいます。
そんな時は、小道具を用意しておくと良いです。
- ユーザーに製品を持ってきてもらう
- 同一製品を用意する
- 写真を用意する
- イラストを描いてもらう
事前にパンフレットや写真を用意したり、ホワイトボードや筆記用具を用意したりすることで、
ユーザーの説明をより細かく深ぼりすることができます。
脱線を防止しよう
自由に話してもらうため、話題が脱線することも往々にしてあります。
その場合、インタビュアーが興味を持っているそぶりを見せてはいけません。
「さっきの話に戻りたいのですが…」と”手綱をしっかりと握リましょう。
インタビュー終盤に行うこと

予定時間が来たら、きっっぱりとインタビューを終了させるべきです。
フォーカスを当てた話題が収束すればそれ以上出てこないですし、たとえフォーカスを移動させても新たな話題を深く理解するには15分〜30分必要になるため時間を大きくオーバーしてしまう恐れがあります。
時間が来たら、謝礼を渡して領収書に記名・捺印してもらい、感謝の意を伝えてお見送りしましょう。
一問一答形式の質問
メーカー担当者からどうしても確認しないといけない項目があり、調査票通りに一問一答形式(アンケート/検証型)の質問を行うこともあります。
しかし、これをインタビュー中に行うと弟子入りが台無しになってしまうため、そうならないようインタビュー後(エンディング前)にまとめて行いましょう。
※アンケートとしては 20〜30人程度はデータの精度は高くないため、参考程度にとどめましょう。
まとめ
- ラポール(信頼関係)づくりのために、ユーザーの不安を払拭しよう
- ユーザーのプロフィールの質問から入り、徐々にディティールを深掘りしよう
- 質問や小道具を駆使してディティールを深ぼり、脱線に注意しよう
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