ユーザーは気難しい無口な師匠?弟子入りして背中に学べ!

sheeps
はじめてのユーザーテスト
本連載では、新米マーケターである筆者がユーザーテストについて学んだことを発信します

こんにちは。村上です。

優れたUXを実現するためには、潜在的なユーザーニーズの探索が必要です。
そのためにはユーザー体験を事細かに把握する必要があり、アンケートとグループインタビューといった手法は適していないことは前回述べました。

では、どのような手法がユーザー体験の把握に適しているのでしょうか。

師匠と弟子

interview

ユーザー体験の把握に適した手法として、「師匠と弟子(Master/apprentice)」という人間関係モデルに基づいた調査方法があります。これを以下のように呼びます。

コンテクスチュアル・インクワイアリー(Contextual Inquiry)

インタビュアーを弟子、ユーザーを師匠と見立てて、インタビュアーはユーザーに弟子入りするようにインタビューする方法です。弟子が「観察と質問」を通じて言語化できない情報も含めて自力で師匠から学び取ることで、ユーザー体験の把握を行います。

インタビューの流れ

この調査手法では、以下を流れを繰り返してユーザー体験を把握します。

  1. インタビュアーはユーザーに「弟子入り」する
  2. ユーザーは仕事を見せながら説明する
  3. インタビュアーは、不明な点があればその場でどんどん質問する
  4. 一通り話しを聞いたらインタビュアーは理解した内容をユーザーに話して確認する

弟子入り風インタビュー

master

ここでいうインタビューは仕事をしている場所で、仕事をしている人に、仕事をしてもらいながらその横で話を聞くのが基本です。

難しい場合は調査会場や喫茶店などで他の手段で直接ユーザに会って実施します。訪問できないことを「調査をしない言い訳」にしてはいけません。

弟子の心得

弟子入り風インタビューでは、以下を意識することが重要です。

  1. 教えを請う
    「何を教えて欲しいのか」をユーザーに話し、特定のテーマの話題にフォーカスを当てる
  2. 根掘り葉掘り
    理解できるまで、ユーザの行動や説明に少しでも不明な部分があれば根掘り葉掘り質問する。インタビュアーの憶測で解釈することのないように、幅広く話を聞くよりも完全に内容を理解することに集中する
  3. 確認する
    フォーカスを当てた話題について、理解した内容をユーザに話して確認してもらう
  4. フォーカスを移動する
    話がひと段落したら速やかにフォーカスを移動する(1へ戻る)。確認済みの話題について粘るのは時間の無駄なうえ、構築した師匠と弟子という人間関係モデルを損ねてしまう

ユーザーは無口で気難しい師匠

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ユーザーは例えるならば「無口で気難しい師匠」のようなものです。
以下のようなユーザーの習性に要注意です。

  • ユーザは話を要約する
    ユーザは体験を事細かな出来事で話さず要約してしまう習性がある
  • ユーザの話は不完全
    ユーザは体験の途中部分から話を始めたり、話を飛ばしたり入れ替えたり、また一緒にいた人物に触れなかったりする。
  • ユーザは例外を除外する
    ユーザは操作手順以外の「例外」処理について話してくれない

繰り返しになりますが、ニーズの探索のためにはユーザー体験を事細かに把握する必要があります。
上記のようなユーザーの習性に注意してインタビューを行なっていく必要があります。

良い弟子と悪い弟子

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  • 良い弟子
    ユーザのいうことを懸命に理解しようとし、不明点は素直に質問する
    これにより理解が深まり、より話が弾みます。
  • 悪い弟子
    • ユーザーの話を聞かずに「次の質問」を考える
      文脈を無視した質問をすることで話が続かなくなってしまいます。
    • 物分かりがよく冒頭だけ聞いて後は同じだろうと「わかったつもり」になる
      実際にはユーザーの行動は多種多様。同じ話になることはありえません。

文脈をクリック

click
  • 悪い例:事前に用意したフローに沿って質問する
  • 良い例:文脈に沿って質問する

インタビューアの役目は「質問を作る」ことではなく、ユーザの話の中から「質問を見つける」ことです。質問票を回答で埋めることに終始してしまうのではなく、文中リンク・脚注リンクをクリックするように、ユーザーの話で抽象的な部分を根掘り葉掘り深掘ってください。

まとめ

  • ユーザー体験の把握には弟子入り風インタビューが有効
  • ユーザーは気難しい師匠。インタビュアーが根掘り葉掘り聞いて引き出そう
  • インタビューで大事なのはユーザーの話の中から「質問を見つける」こと

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2017.01.05
sheeps
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